jozkado’s diary

オナ禁を実践しながら『オナ禁論』執筆をする院生の業務報告。執筆のためのメモなど。

5日目——「オナ禁」言説の前提、データの扱いについて

【研究ノート】

ノートというほどまとまった形になっていないが、メモとして「オナ禁」研究のヒントとしてここ数日間で拾ったことを書き残しておく。

(6月3日)

  • オナ禁」実践者の言説の中で必ずといってよいほど共通の論争となるのは「○○は“リセット”になるか」という問題である。この問題から考えることができるのは、
  1. 「リセット」という言葉遣い。この表現がなぜ流通するようになったのか。「ゲームとしてのオナ禁」という性格が見え隠れする表現ではないか。

  2. 「リセット」となる条件を実践者の中で確認しあい牽制しあうことで、「オナ禁」のルールを構成している。

  3. 長期間の「オナ禁」に成功している実践者同士の間では、この(破ったとてなんら罰せられるものではない)ルールを共に守っているという連帯感や協力関係が生じているのではないか。

  以上のような視点で観察を深めることができそうだ。

 

  • また、「オナ禁」の目的の中で多く語られる「モテたい」からも、
  1. 「女性」というカテゴリーを前提としている

  2. 異性愛かつ男性側を中心とした性愛の秩序を前提としている

  など、注目することで「オナ禁」コミュニティの中で語られる言説の前提を浮かび上がらせることができそうだ。

 

(6月5日)

  • 現在、スマートフォンアプリ「マジェスティックオナ禁カウンター」内の機能「最近ログインした300人」のランキングを実験的に1日1回記録しているが、これは、各順位の人数だけでなくユーザー名も素材にできるのではないか。ユーザー名からもその人物の「オナ禁」に対する価値観や目的を読みとることができるかもしれない。
  • データを取るとして、どうすれば効率よく取得することができるだろうか。開発者に連絡をいれてサーバーへのアクセスを可能にしてもらうよう許可を取るなどができるとよいのだが。

 

【日記】(20/06/05)

6時20分起床。少しずつ起床時間が安定してきた気がする。

オナ禁実践者界隈でよく言われるが、「オナ禁をすると朝の目覚めが良くなる」というのは因果関係が明確ではない。ただ、栄養を無駄に排出していない分、日中も集中を切らしたり昼寝したりせずに活動でき、きちんと疲労することで睡眠の質が上がり、生活のリズムが改善されているのかもしれない。

夕方に、大学院の所属しているゼミの最初のzoom顔合わせがあった。大学の授業はすでに2か月近く前から始まっているが、修士から博士課程までの所属生が授業でない形で集まるのは初めてだった。

ちょうど指導教員の先生が、日本におけるセクシュアリティの領域で重要な研究者であり、今日ようやく現在の自分の問題意識を共有することができた。2週間後に個人面談することになったので、それまでに準備を進めておこうと思う。

Kellerの論文を読み進めることはできたが、それでほとんどすべての時間を使ってしまった。また、この土日の間に真木悠介『時間の比較社会学』を集中して読む必要が出てきたので正直焦っている。気の抜けない毎日が続く。

オナ禁を破ってしまったら総崩れしてしまうような強迫観念も感じ始めている。これが自己を統御するということなのか…。