jozkado’s diary

オナ禁を実践しながら『オナ禁論』執筆をする院生の業務報告。執筆のためのメモなど。

4・5日目――「自分の人生を生きる」

昨日は毎週のごとく疲れ切っていたのでブログを書くまで持たなかった(起床は6時40分)。

 

今朝は起床が遅くなった(9時20分)が、平日の間の睡眠不足の解消にはなったと思う。

日中もその分パフォーマンスを意識できたのではないかと。

【研究メモ】

Chapter2 Historical Frames of Abstinence
第1節 The Religious Frame
第1項 Early Christian Ascetics

とりわけて節制(とくに性的行為の観点で)の宗教といわれるキリスト教は、聖書を準拠に禁欲を推進する。

(コズニックKosnikによる歴史研究から)

聖書は、性に関する命令に関して、絶対的な答えを提供できているわけではない。時代的な背景や文化・社会的な状況に対して聖書は見られなければならない。〔キリスト教においては〕倫理への関心ではなく、カルト的な純潔への関心から、性〔行為〕とのネガティブな結びつきは由来している。

こうした動機について表しているのは、オナンの物語である。

この物語の最も一般的な読まれ方は、マスターベーションと男性の精液の浪費の禁止としての読まれ方であるが、コズニックは次のような解釈をする。

「早死にという形で神がオナンを罰したのは、オナンが自分自身に触れる〔=自慰行為をする〕という”罪”を犯したからではなく、彼の亡き兄の妻との結婚を拒んだからである。」

この女性と結婚することで、自分ひとりで得られるはずの兄の遺産の相続権を占有できなくなることをオナンは知っていた。彼はその強欲さゆえに罰せられたのだ、というのである。

では、セクシュアリティはいかにして、キリスト教信仰において道徳的なあやまちという重荷を負わされるようになったのか。

コズニックの見立てでは、預言者の影響のもと、純潔のカルト的な観念が内部化され、深遠な道徳的概念へと変容した、ということである。(キリストの死後、聖パウロの訓戒→宗教的行為としての禁欲へ)

(2世紀半ば~ 異民族による襲来をローマ帝国は受けていた)

皇帝の力が弱まる中、市民は悪の存在に説明を与えようとキリスト教に改宗してゆく。

人びとは内向的になり、悪を個人的なレベルで対処する方法を見出した。それが、禁欲を通して自発的に苦しむことによってである(Hunt 1994)。

他方、「自らの置かれた状況を別な視点で見て、自分たちは専制的な支配者の犠牲者だと考えた者たちは、既存の社会状況に対してより攻撃的なアプローチをとった。興味深いことに彼らが行き着いたのは同じ目的地だった。それが禁欲である。」

生殖を断つことで、現在の時代が続くことはさまたげられるように、禁欲は〔今の世の終わり(と救世主の出現)を表す、というような〕論理的解決策になったのである。

 

第2項 Medieval Female Fasters

中世(12世紀後半~14世紀)、断食が、キリストと一体になる手段として多く実践されるようになっていた。

(シエナのキャサリンという女性の例が最もよく知られている)

興味ぶかいのは、この断食という形式での禁欲の実践をしていたのが、圧倒的に女性であったという点で、この実践がきわめてジェンダー化されていたということである。

こうした実戦は、食の問題に女性が苦しんでいたことの〔歴史的な〕始まりを記録したのだろうと、我々はすぐに思いこんでしまうかもしれないが、中世のこのような女性たちを研究している者は、そうは考えない。

「食べ物と身体について、全く異なった理解がされていた文脈においてその欲は起こっていたのだから、最近の歴史的なレッテルをこれらの断食に安易に押しつけることは絶対にできない。その理由を彼らは示している。」(p.40)

(メモはここまで)

 

【日記(20/10/25)】

若者・ひきこもりをテーマとした調査を進めていて、インタビュー対象としている団体の方の著作を読んでいるが、やたらと沁みる内容だった。

 

「自分の人生を生きろ」と。

詳細は省くが、子を思う親にとっても、親に申し訳なさを感じている子にとっても、最も大事なのは「自分の人生を生きる」ことだと。

”ふつうの”ライフコースを進んでいれば、社会人4年目になっていたはずだった。自分の仕事の出来なさを不安に感じて社会に出られず、研究が好きだとは言え院進という選択に胸を張れていない。どこか「仕事に就くことから逃げているだけでは」という気持ちを抱えている自分にも、刺さる話が多かった。

「自分の人生を生きる」。決して簡単に頭を切りかえることはできないだろうが、たまには考えたいテーマだろうとは思った。

 

明日、明後日と社会調査のインタビューがあったり、個別指導が普段より前倒しであったりと、今週よりあわただしくなることが予想されるが、パフォーマンスを意識して丁寧に生活をしていこうと思う。ブログのアップも少し早めていきたい。